ミラドライは副作用が少ないことがメリットですが、わきがに対してどのような効果があるのかが治療を行う上で一番大切なポイントだと思います。
従来のわきが治療で最もポピュラーなのが剪除法という治療法です。この治療はわきを切開し、わきがの原因であるアポクリン腺を切り取る手術です。においのもとであるアポクリン腺を取り除き、わきがを治療します。この治療は保険診療で行うことができ、当院でも実施しております。
一方のミラドライ治療は照射熱によりアポクリン腺にダメージを与えて、タンパク変性をおこすことで汗腺を破壊する治療です。汗腺を破壊することで切る治療とほぼ同等の効果がみられます。剪除法、ミラドライのどちらとも「アポクリン腺を破壊もしくは取り除く」ということでわきがの治療を行っています。
また、ミラドライではアポクリン腺のみではなく、エクリン腺も照射によって処理することができます。エクリン腺は目視できないため剪除法では除去することが難しいですが、ミラドライであれば、照射時にマイクロ波がエクリン腺にも反応します。多汗症など脇汗のなやみにおいては剪除法よりもミラドライの方がおすすめです。
ミラドライは2010年に日本に導入されました。導入当初は今までにない切開をしないわきが・多汗症治療ということで注目されることが多かったですが、効果・副作用の具体的なデータがまだまだそろっていなかったため、患者様を不安にしてしまうことも多かったです。しかし、現在は豊富な症例によって、安全性が確立され、効果・副作用についてデータがあり、患者様にも安心して治療を受けて頂くことが可能になってきました。
とはいっても、まったく副作用がないわけではなく、治療後には下記のような症状が見られます。期間にして数週間~数ヶ月副作用が残る場合もあります。
ミラドライの副作用 |
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剪除法をはじめとした従来のわきが治療では下記のような症状があります。(稀なものも掲載しています)
従来の治療法の副作用 |
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どちらも汗腺という体の機能を破壊もしくは取り除くため、ある程度の副作用はあります。しかし、従来の治療法のような切開跡が残ったり、化膿したりといった長期的な副作用や、重篤になりうる副作用がミラドライにはほとんどありません。また、ダウンタイムについても、切開をすると圧迫固定をしたりしなくてはいけませんが、ミラドライであればすぐに日常生活ができるほど、ダウンタイムは短いです。